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2023年 4月 14日 世界史を極める?

こんにちは。東京大学教養学部教養学科地域文化研究分科フランス研究コース3年の山田達也です。

東京大学は一昨日4/12が入学式でした。実は「4/12が入学式」というのが先に決まっているので、来年も再来年も入学式は同じ日です(創立記念日が4/12だからだといわれています。また、なんと入学式より前から授業が始まります)。東大志望の皆様が、しかるべき年の4/12に入学式を迎えられるようお祈りしています。

さて今回は、選択科目の勉強法について書くようお達しが来ています。あれ?と思った方はよくこのブログを読んでいる方で、先月も同じテーマで書いていました。まだ読んでいない方は読んでみてください→(2023年3月14日 入試の特徴を見極める@日本史 https://www.toshin-yokohama.com/%E5%85%A5%E8%A9%A6%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%82%92%E8%A6%8B%E6%A5%B5%E3%82%81%E3%82%8B%EF%BC%A0%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8F%B2/

実は東京大学文科は地理歴史2科目が必須で課されますので、先月紹介した日本史に引き続いて今月は世界史について述べましょう。前回とは少し形を変えて、科目を概観した後は大学個別の分析ではなく勉強法の話に移ります(理由は後述します)。他にも同じテーマで書いている担任助手がたくさんいると思いますので、それらと比較しつつ自分に合うやり方を見つけてくださいね。

さて、本題に入ります。いろいろな大学の問題を見ていると気づくのが、大学ごとの出題の振れ幅が小さいという点です。もちろん語句短答・選択・論述程度の違いはあるのですが、多くの場合で「知識を正しく押さえる」ことが最重要課題になっています。つまり、「資料を見てその場で考える」「当日与えられた知識を組み合わせて解く」といった、日本史で見られたようなアクロバティックな出題が少なめだということです(もちろん少ないながら例外はあります。 2018年九州大第2問など)。東大の分析をわざわざ紙幅をとってやらない理由はここにあります。まずは、教科書・資料集などを正しく理解することが第一義になるのだという点を意識しておくことが大切だと思います。
こうした差が生まれる原因の一つに、扱う地域が非常に広いという点は挙げられるかもしれません。日本史のような、「その時代の世界観を理解してそこから推論する」というような営為は、ある意味では扱う対象が一つだから可能なのだと思います。同じことをフランス・ドイツ・アメリカ・中国などの諸国家、あるいは近代以前の諸地域、アフリカなどの俗にいう「辺境」史……これらをすべて高水準の理解度でカバーするのはなかなか難しいと言わざるを得ません。
したがって、(もちろん「時代の眼」が獲得できることに越したことはないものの)まずは「出来事を正しい時系列・因果関係で追えること」が重要になります。そして世界史特有の要素として、「同時代の他地域がどのような状況だったか」を抑えられると、特に大論述を課すような大学ではかなり実力が向上するのではないかと思います。地域ごとに縦割りで学習をしていると、意外と他地域との対応関係を間違えることがあります。タラス河畔の戦いなど大きな事件があればよく覚えている方も多いでしょうが、むしろそうではない時代を理解できているかが勝負になってきます。特に中国は貿易などの兼ね合いで様々な影響関係があるので注意して見てください。ある地域の学習をするたびに、「この時代(世紀)は、〇〇の地域では××の王朝があって、こんな事件が起きていたな」というのを想起するだけでもかなり違います。何なら、ノートの隅に他地域のことを書き込んでしまうのも有効です。

「歴史」というものを考えるとき、どうしてもその「通時性」に目が行きがちです。しかし地理的な広がりがあることを考えれば、その「共時性」にも目を向けることが必須なのは明らかでしょう。そしてその両者の感覚を兼ね備えることは、今我々が生きているうえで起こる様々な問題に対して多くの視座を提供してくれます。
私の関心分野であるセクシュアリティ論で例を挙げてみましょう。例えば「日本で性的マイノリティへの理解が進まないのはなぜか」という問題を考えるとき、まずは「日本では、彼ら/彼女らに対する態度がどのように変遷してきたか」という視点に気づくでしょう(通時的視点)。そしてさらに、「同時代、他地域におけるその態度はどのようだったか」という点を考えることができます(共時的視点)。これらを組み合わせて初めて、「日本」という地域に特有な状況をとらえることができ、考察が有効なものになります。個人的な感覚ですが、ここに世界史という科目を学習する一つの意味があるのではないかと思っています。

明日は佐々木先生です。お楽しみに!

 

 

 

 

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