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2023年 4月 10日 「実力」を知ること

こんにちは。東京大学教養学部教養学科地域文化研究分科フランス研究コース3年の山田達也です。晴れて後期課程進学と相成りました。第一志望の学科に進学することは叶いませんでしたが、やれるだけのことをやりたいと思います。入学した頃は法学を勉強して法曹になろうと考えていましたが、意外と好みややりたいことの方向性は変わるものなのだなあと我が事ながら驚きです。ただ、現在の状況如何にかかわらず、自分が過去に吸収したもの・勉強したことが効いてくる場面もあって、世の中やって無駄になることは(あまり)無いなとも感じています。

さて、そういった「私がかつて好きだったもの」の一つに、模試があります(今のところ、これに共感してくれる人にはあまり会ったことがありませんが)。良いですよね、模試。私は東進ハイスクールに在籍していた3年半(中3-高3)で、東進の共通テスト模試を22回、東大模試を9回受けました。もちろん受ければいいというものでもないですが、上手に使えば強力に自分を導いてくれるツールであることもまた間違いありません。今回は、僕自身の模試の活用方法を少しご紹介してみようと思います。

まず区別しなければならないものは、「マーク模試」「記述模試」ですね。前者は基本的に共通テスト、後者は二次試験の対策というのがメインの目的かと思います。
まず注意しなければならないのは、特に前者は形式になれることがその主眼になっている点でしょう。共通テストは(センター試験ほどではないとはいえ)テクニックがある程度点数に寄与するタイプのテストです。かなり能力がある生徒でも慣れていないと60~70点ということも珍しくなく、逆にある程度慣れてくれば70点台から80点台に乗せるのは(比較的)容易であるということは言えます。つまり、共通テスト模試を受けた後の点数を分析するときには複数の視点が必要です。

その視点としては、「実力で取れたのはどこまでか」「ある科目に対して、どのような作戦で挑んだか」「作戦・テクニックに改善の余地はあったか」が最低限挙がるものだと思います。特に一つ目については、例えば英語で「時間不足で問6が手付かずだった」というような場合に対応するため必ず見ておかねばなりません。問6の配点はかなり大きいことが知られていますので、もし「もう少し時間があれば取れたはずだった」ならば解く順番を考える(=作戦上の改善の余地)必要があるでしょうし、「時間があっても解けない(または、あまりにも多くの時間がかかってしまう)」場合は実力改善のために何をすべきか考えることになるでしょう。また数学で言えば、「問題そのものは解けるが穴埋め形式に慣れられていないため、解答の流れに乗れなかった」というのは、典型的な「実力十分・慣れ不十分」のケースだと言えます。同じ点数の人間が同じ実力を持っているとは限らない、というのはかなり怖い点だと思います。正確に自分のいる位置を見定めてください。

それに比べれば、記述模試は嫌でも実力がそのまま出てきやすい形式にはなると思います。もちろん冠模試であれば慣れも大きなファクターになりますが、一般的な記述模試や自分が演習している大学以外の冠模試では、基本的に「初見」の形式で行われることになります。見たことのある問題が出る可能性は十分にあるとはいえ。

「慣れ」が絡む場合の得点の見方については既に述べた通りなので、むしろここでは実力が出るような試験について述べます。個人的には、「時間があれば解くことができたか」「問題で使われた手法・論理への理解はどうだったか」「選球眼はどうだったか」という視点を挙げたいと思います。

一つ目は先述したものと同じです。問題の解き方で点数が取れないのか、実力不足で点数が取れないのかは明確に峻別しておきましょう。もちろん後者の場合でも、あまりに多くの時間がかかる場合は実力不足とみなすのがベターかとは思いますが。
二つ目については、主に数学ですね。どんなに初見に見える問題でも、段階を見ていけば「一つ一つのステップは知っているもの」である場合がほとんどです。そうした要素に気づけたか?というのは、数学そのものの実力に大きく関わる部分なので、必ず確認しておきましょう。
そして三つ目、「選球眼」については、「自分の実力を正しく把握できているか」を認識するためのものです。簡単な問題だったのに「自分には難しそうだから飛ばしておこう」と考えたりあるいはその逆だったりというのは、自分を正しく理解できていない証左になってしまいます。日々の演習で、「このぐらいの問題はすぐにいける」「ここから先は厳しい」というようなラインを探っておくことはかなり重要な動作になるでしょう。初見の形式で選球眼を発揮できれば、もちろん慣れている場面で発揮するのは余裕だと思います。

以上、模試の分析についてかなり長々と述べてきました。とにかく重要なのは、「自分の実力を正しく把握すること」です。模試を正しく使うと合格に近づくことができるので、ぜひ参考にしてみてください。

明日は(も?)山田先生です!お楽しみに!